2026.08.05

非常用電源や水に加えて「通信の多重化」をどう進める? 災害時に電子カルテやEMISを止めない新しい一手『DIP-Box』

医療継続を支える「通信の多重化」という新しい課題。

近年の大規模な自然災害や突発的な通信キャリアの障害、停電などの影響を受け、多くの医療機関様においてBCP(事業継続計画)の見直しや強化が進められています。日頃より、非常用発電設備の整備、水・食料・医薬品の備蓄など、「患者様の命と安全を守る備え」を万全に整えられている医療機関様も多いことと存じます。一方で、近年の医療現場で急速に重要度を増しているのが「通信インフラの多重化(代替手段の確保)」です。厚生労働省のガイドライン等でも医療機関のBCP策定が求められる中、災害拠点病院に限らず、地域医療を担うすべての病院において「災害時に通信をどう確保するか」が共通の検討課題となっています。

万が一、大規模災害や地域停電により、通常の固定回線や携帯電話の電波が途絶してしまった場合、以下のような影響が懸念されます。

・電子カルテや画像診断システム等へのアクセス制限。
・EMIS(広域災害救急医療情報システム)による被害状況報告や受け入れ可否連絡の停滞。
・行政、消防(救急搬送)、近隣医療機関との連携遮断。
・院内スタッフの安否確認や緊急参集要請の遅れ

高度にシステム化された現代の病院運営において、「電源や医療器具が動いていても、通信が切れると診療業務が著しく制限される」というリスクに対し、事前の代替手段(多重化)を用意しておくことが不可欠となっています。

物理的な備蓄に加え、「診療機能」を守るインフラが必要に

病院のBCPにおいては、ヘルメットや飲料水といった「物理的な安全を守る備蓄」と同時に、診療や業務を維持するための「情報と連絡の備蓄」をいかに組み合わせるかがポイントとなります。

公衆回線や携帯電話網は、回線混雑(トラフィック集中)や基地局の停電によって一時的に接続しづらくなる性質があります。既存の回線だけに依存せず、「非常時に自律して立ち上げられる代替通信網」をあらかじめ用意しておくことが、実効性の高いBCP構築のカギを握ります。


通信環境の自社保有(購買)において検討すべき3つの課題

「非常用の衛星通信端末やモバイルWi-Fiを、病院で直接買い揃えておくべきか?」とお悩みの担当者様もいらっしゃいます。しかし、機材を病院独自で購入・所有しようとすると、導入時および運用時にいくつか留意すべきポイントが存在します。

1. 初期投資(導入コスト)の大きさ

高度な衛星通信端末(Starlink等)、大容量の非常用電源、複数台のWi-Fiルーター等を一括で購入する場合、まとまった初期費用が発生します。本院・分院や関連施設を複数展開されている医療法人様にとっては、予算確保がハードルとなるケースがあります。

2. 維持管理・定期メンテナンスの負担

通信機器は「設置して終わり」ではありません。定期的なバッテリー充電管理、動作確認、ファームウェアの更新など、日常的な保守点検が必要です。繁忙を極める院内の情報システム部門や防災担当者様の手間や負担が増加してしまいます。

3. 機器の陳腐化と資産管理

通信規格や端末のスペックは数年単位で進化します。数年ごとの買い替えコストや故障対応、資産管理上の手続きなど、中長期的な運用負担への考慮も必要です。


オールインワン通信BCPパッケージ「DIP-Box」とは?

上記課題である「導入費用や管理の手間を抑えつつ、必要な時に確実に繋がる通信環境を整備したい」——そうした医療機関様のニーズにお応えするために開発されたのが、災害時通信インフラシェアリングサービス『DIP-Box』です。DIP-Boxは、災害時に病院の通信を確保するために必要な機材一式を、1台の堅牢な専用ケースにオールインワンでパッケージングしたサービスです。

DIP-Box に収納されている主な機器構成

その1. Starlink(衛星インターネット)
低軌道衛星を活用した高速通信。携帯基地局や地上回線の状況に左右されず、上空が開けていればどこでもインターネット環境を構築できます。

その2. 非常用ポータブル電源
停電時でもStarlinkや通信機器、PC等を長時間確実に駆動させる大容量バッテリー。

その3. マルチキャリアWi-Fi / 衛星携帯電話 / モバイル端末
院内の複数スタッフや各部署(災害対策本部、受付、病棟等)で同時に通信を共有・利用するためのクラウドルーターや、直接通話が可能な衛星携帯電話・スマートフォン等(※プランに応じて構成)。専門的な知識がなくても、ケースを開けてケーブルを接続するだけで、病院内に「臨時通信スポット」を即座に構築できます。


「所有」から「シェアリング」へ。

DIP-Boxの大きな特徴は、高額な通信機器を個別の病院様が「単独で所有」するのではなく、全国で「シェアリング(共有)」する合理的な仕組みを取り入れている点です。

広域災害であっても、全国すべての地域が同時に被災するわけではありません。DIP-Boxは全国の安全な拠点に予備機材を分散保管しており、万が一被災された病院様に対して、安全なエリアから優先的に即時配送(クロス出荷)を行う体制を整えています。

DIP-Box シェアリング方式の主なメリット

機材を所有せずにシェアすることで大きく、以下3つのメリットがございます。

初期費用を抑えたスモールスタート

月額利用料(サブスクリプション)方式のため、莫大な初期投資を必要とせず、予算に合わせた柔軟な備えが可能です。

維持管理の手間をゼロ

機器のメンテナンスやアップデート、動作確認は提供側で実施。管理の手間をかけることなく、常に「すぐに使える状態」が保たれます。

年1回の「訓練サポート」でBCPの実効性を確保

BCP対策で最も懸念されるのが「導入したものの、いざという時に使い方がわからない(形骸化)」ことです。DIP-Boxの対象プランでは、年1回の防災訓練用に実機をレンタルし、実際の通信接続テストやスタッフ様の操作演習をサポートいたします。


貴院の体制やBCP計画に合わせた柔軟なプラン編成

DIP-Boxでは、医療機関様の規模や指定区分(災害拠点病院、一般病院、クリニックグループ等)、ご予算に応じて最適なプランをご提案いたします。

・常時手元に備えておきたい病院様向け(自社保管プラン)
本院や災害対策本部などにStarlinkや電源一式を常設・配備。即座の立ち上げが可能。

・コストを最小限に抑えて備えたい病院様向け(シェアリング配送プラン)
平時の負担を大幅に抑えつつ、非常時のチャーター輸送と年1回の訓練貸出しをセットで導入。「まずは月額数万円台からのスモールスタート」から「複数拠点での一括導入」まで、柔軟に対応可能です。


サービスご紹介動画


貴院のBCP計画に合わせた「通信診断・お見積り」

災害時の患者様の安心・安全を守り、診療機能を維持するために、「通信の多重化」は欠かせないピースとなりつつあります。

「自院の規模だとどのような構成が適切か」「既存のBCP計画にどう組み込むべきか」など、疑問やご関心がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。パースジャパンでは、貴院の現在の通信環境やBCP計画に合わせた「無料・通信BCP簡易診断」および「詳細資料・プラン別比較表」をご用意しております。本サービスに関するお問い合わせは営業担当もしくは、コチラからご依頼頂きますようお願い致します。

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